外苑前の
SUS galleryで行われている、
橋本潤さんの展覧会。
こちらにお邪魔して、ミラノサローネ・サテリテ2008で
Special Mentionを受賞した、うすいいすと、うすいテーブルに触ってきました。
●展示の様子会場のSUS galleryでは、まず、入口から付近に、
2004年から2008年の最新モデルまでのプロトタイプが一列に展示されています。
うすいいすの進化の様子がわかります。
会場中ほどには、うすいテーブルと2脚のうすいいすのテーブルセット。
奥の壁際には、1枚のスチール板が椅子になるまでの工程が展示されています。
灰色のスチール板と、加工途中のものと、完成した椅子があり、
背後の黒板では工程ごとの解説が添えられています。
イメージイラストも橋本さんの直筆。ちょっとづつ加筆され、進化したそうです。
完成品のうすいいすには、実際に座ることができます。
平日の昼間だったせいか、ゆったりと見学でき、スタッフの方が丁寧に応対してくれました。
突然押しかけたのに、いろいろご案内くださり、誠に有難うございます。
どんな椅子だったかは<<続き>>で
●どんな椅子だった?実際に座ることができるので、座り心地を確かめてみました。
うすいいすの鋼板は、厚さ2.3mm。
立てかけてある鋼板は自重でたわんでいます。
椅子も横から見ると、
(ぺらぺらだ…)
と思うほど薄い。
私の75Kgの臀部を受け止められるのか不安に思いつつ、
そろりそろりと腰掛けました。
座ってみると、まったく心配無用でした。
歪んだり、ガタつくことなどまったくなく、しっかりと支えてくれます。
背もたれに寄りかかると、しなやかな弾力が。
何度か寄りかかって「たゆんたゆん」感を楽しみました。
ただし展示品なので控えめに。
●驚いたこと極限なシンプルさ。
座面の裏や、脚の付け根や、背もたれに補強するパーツがないのに
成立していることを体感して「ホントに1枚でも座れるんだ」と驚きました。
また、V字型の溝って頑丈だなあという感心と、
それを曲げる工具とか力って、どれほどのものなんだろうなあという
新たな関心が沸いてきました。
是非聞いてみたいけれど、企業秘密かしら。
形もさることながら、工程もシンプル。
1枚の板を曲げてカットするだけ。溶接もビス留めも一切ない。
こんなに少ない工程で、しっかりとした完成品ができることにも驚き。
背もたれに寄りかかると、しなやかなに動くのですが、
こうして動くと塗装がひび割れ、剥げ落ちます。
でも、仕上げのポリウレタン塗装は比較的ソフトなので、
そうした心配はないとのこと。
テーブルにつこうとして、うすいいすを引いたら、思いのほか重かった。
薄いと「軽い」と思い勝ちですが、さすがに鋼です。
●椅子のバックグラウンドプロトタイプの遍歴から、これまでのモデルの構造を頭に入れつつ見ていくと、
最新のモデルで大きく飛躍していることが分かります。
04年、06年、07年の作品は、2枚の鋼板を使っています。05年は4枚で構成。
薄くてシンプルな形は実現しているけれど、
制作では、溶接や面をならす工程が必要。
2008年のモデルは、1枚の板からできており、
そのために制作工程が大幅にシンプルになっています。
また、鋼板の厚さも変わっています。
1枚でも十分な強度を確保するために、1.6mm厚だったものを2.3mmに。
あと見た目の印象だけども、V字の溝も2008年モデルのほうが深くなっているような気がしました。
強度は増すが、曲げる加工が大変になったのではないかと想像しました。
もう一つ、2004年以来ずっと「薄さ」にこだわられているのも
よく分かります。
最初のプロトタイプができるまでに、構想期間はどれくらいの長さで?
と橋本さんに聞いたところ、
具体的に制作に取り掛かったのは2004年になってからとのこと。
しかし、それ以前から薄い家具には関心があったそう。
そこで、
(記事するときこんな風に書けたらカッコイイな…)
と欲をにじませて、
「マグマのように制作意欲が溜まったところで、
2004年に一気に形を成したわけですね!」
と聞いたら、
「ははは。それはカッコよく言いすぎですよ」
と笑っておっしゃられました。
飾らないお人柄が感じられます。
今回の展覧会は、11月29日(土)までです。
うすいいすとうすいテーブルに触ってみたい方は、
この機会に是非、足を運んでみては。
▼SUS gallery
http://www.sus-gallery.jp/▼橋本潤さんのブログ 家とデザイン、ちょっとづつ
http://blog.smatch.jp/hasimoto/
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